瓶文通信

鯖寿司と天ぷらが好き。

映画作品ベスト10(2018)

※今年私が初見の作品のベスト。今年公開されたもののそれではありません。

 

1位 焼け石に水(2000)

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レイトショー(フィルム上映)で観た!フランソワ・オゾン監督。

趣味的にもドストライクだったし、ラストシーンが頭にのこって離さない。今年は同監督の短編映画「サマードレス(1997)」も観たが、不気味で爽やかで色っぽくて・・・面白かったな~。ちなみに今年日本で劇場公開された、同監督の「婚約者の友人(2016)」はピンと来なかった。初期作品が好きなのかな。

 

2位 聖なる鹿殺し(2017)

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愛するヨルゴス・ランティモス監督最新作。公開してすぐに劇場にかけつけ、グッズのトートバッグも買った。今年は同監督の過去作「籠の中の乙女(2009)」も観たけど、やっぱり不気味で怖くて、一方で美しくて良かったな~。劇中流れている映画は「恋はデジャ・ブ(1993)」。この作品を流すことにどのような意味付けをしているのか・・・気になってこちらも観た。

 

3位 ホドロフスキーの虹泥棒(1990)

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ホドロフスキー特集上映にて、「エル・トポ(1969)」、「サンタ・サングレ(1989)」、「リアリティのダンス(2013)」、「エンドレス・ポエトリー(2016)」と併せて観た。おどろおどろしい難解な作品の中でこれだけは、根明な男同士の友情や仲間について描かれている。ホドロフスキーとは思えない日曜洋画劇場で流せそうな作品なのだけど、一番気に入ってしまったし、劇場で号泣した。「サンタ・サングレ」も好きだったな。

 

4位 手紙は憶えている(2015)

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騙された~。映画のトリックというのは、ある程度パターンがあるからあまり期待しないのだけど・・・この作品のラストには驚いた。あと、クリストファー・プラマーの演技が素晴らしい。ワクワクしたり、とてつもなく悲しくなったり、色々な感情を引き出してくれる作品だった。劇場で観られていないのが残念。観る前は「メメント」の二番煎じかと思ったが、とんでもなかった。

 

5位 何がジェーンに起こったか?(1962)

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フィルム上映(35mm)にて。老婆とデブしか出てこないのに、めちゃくちゃ面白かった。笑えるけど、ラストはせつない。

 

6位 グエムル(2006)/スノーピアサー(2013)

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ポンジュノ監督2作品。この監督の悪ふざけっぽい振り切り方が大好き。あとソンガンホも大好き。

本当に恐いのは化物でも環境でもない。人間だ。

 

7位 ボーイズ・オン・ザ・ラン(2009)

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三浦大輔監督の会話劇って湿っぽくてリアリティがあって、大好き。今年は「裏切りの街」も観たけど良かったな。小林薫、渋川清彦が出演しているのも、高ポイント。

 

8位 タクシー運転手(2016)

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お分かりいただけただろうか。私はソン・ガンホが大好き。あとこの作品は迫力あって胸が熱くなった~。どこまで脚色なのかは考えてしまうけれど。

 

9位 女は二度決断する(2017)

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救われない展開と、当然のラストへ。犯罪者の女の子の人相が絶妙。

 

10位 ノー・ドロウニング(2016/短編)

 

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不思議な世界観とファンタジックなラストが好き。長編で観たい。

 

  2018年に観た映画は163本。2016年は197本、2017年は149本だったので、多くもなく少なくもなく・・・といった感じか。量を見ると作品もパターン化されて見えてくることがあるので、2019年はなるべく素直な心で観られるよう心掛けたいかな。

 

2018北海道旅③(20180907→20180909)

 7日朝、空腹のなか目覚めた。何か情報があるかもしれないとエレベーターでフロントまで降りると、なんと朝食ビュッフェ(有料)との新聞(無料)が用意されていた。ホテルの朝食なぞ「高いばかりで大したことない」と思っていたが、この時ばかりは感謝の気持ちを持って1600円払って席に着いた。卵焼き、鯖の塩焼き、じゃがいもにサラダ、バター、味噌汁、ごはん、牛乳・・・種類が多いとは言えないが1日ぶりの温かい食事を口にするととても安心した。普段は太りたくなくてあまり食べないが、とにかくたくさん食べた。お腹がふくれると思考も前向きに循環し始めたように感じた。

 その後、近くのスーパーや電気店で飲料水やレンジ調理のごはん、カップ麺、お菓子、ミニトマト、充電器を購入した。小樽で経験した大きな揺れからもう何十時間も経つというのに余震は何度も何度も訪れて、その小さい揺れが次の本震へのカウントダウンのようだった。次の停電・断水に備えなければならないと多くの人が感じたと思う。特に電気店では充電器やラジオ、懐中電灯を購入する客が行列をつくっていた。

 この日の15時には通常通り、ホテルの大浴場が開いていた。交通機関はどこもストップしていたので、行き場のない観光客は皆大浴場くらいしか楽しみが無く、明るい時間から賑わっていた。私は風呂を満喫してから部屋に戻り、ここでやっと予定を早めて帰った方が良いことに気づいた。もともと購入してある航空券に追加して、9日の航空券と、さらに苫小牧から出ているフェリーを予約した。本当は翌日の8日分を予約したかったが、既に全便売り切れで、ここでようやく小樽からフェリーで帰るのが得策だったと気づいた。自分の至らなさを不甲斐なく感じ、イラストを描いて現実逃避した。

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 8日。前日夕方から再開したという地下鉄に乗って、札幌まで出てみる。札幌なら、本震がきたとしても徒歩2時間でホテルまで帰って来られるから安心だ。どうせ9日まで帰れないのだし観光してしまおう、と思い切った。北海道大学、赤レンガ庁舎、テレビ塔。服屋やドラッグストアなども開いていたが、飲食店は閉まっているところが多く、コンビニも開店休業状態で食料棚は空だった。「なんとか北海道らしいものを食べて帰りたい」と二条市場を訪れると、飲食店が二つ開いており、海鮮丼を食べることができた。日替わり海鮮丼2200円は、マグロや海老、ホタテ、イクラ、ウニなどがのっており、付属のガリや味噌汁まで染み渡るように美味かった。特にウニなどは、まさに本物の味といった感じで、生臭すぎず、濃厚な味わいだった。店内は海外観光客が多く満席で、震災などなかったように活気に包まれている。テレビから流れている交通情報も大分改善されており、希望が見えた。

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すすきのから真駒内へ向う地下鉄に乗っていると、「厚真町で地響きがありこの後4時間以内に本震がくるかもしれない」というツイートが目に付いた。「ついに来るか」と身構えると共に、「この情報は一体誰に向けて発信されているのか。本震などいつ来てもおかしくないのに。見た人を不安にさせるだけではないのか。」という反抗的な感情が生まれた。とにかく急いでホテルに戻り、大浴場で風呂を済ませ、大きな揺れに備えた。昨日あんなに湯船につかっていた中国人たちは全くおらず、広い浴場には私を含め2~3人しか存在しなかった。彼らはもう帰ったのだろうか。これからまた本震が起これば、再度停電・断水が始まり、復旧した交通網もストップするかもしれない。余震に揺られながら、明日飛行機が飛ぶことを願って眠りについた。

 9日。結局、大きめの地震は実際に起こったようだ。ただし私のいる地域は他の余震と変わらぬほどしか揺れなかったのか、全く気づかなかった。ホテルへの感謝の意味も込め、朝食ビュッフェで腹ごしらえをして、新聞を読み、部屋の片付けをした。窓からは30分おきに空港に向かう北部交通のバスが見える。通常運行だ。新千歳空港へはバスで70分程で、予約できた航空券は14時50分発だが、何が起きるか分からないことと空港の飲食店に少しの期待を持って、10時の便に乗り込んだ。バスは問題なく空港に到着したが、空港では飲食店はもちろん、コンビニも一つも開いておらず、ベンチでチョコレイトを食べながらやり過ごした。東京行きの飛行機は半分程度の乗車率で、既に観光客達が北海道を出ていることを物語っていた。私は、全てが一手二手遅いのだ。反省。雨の中出発した飛行機は無事に成田に到着し、蒸し暑い東京が私を迎え入れてくれた。明々とした成田空港のコンビニに、やっと日常の端っこを見つける。それと同時に、観光客だからといって被災したのにさっさと北海道を脱出して日常に戻って良いのだろうか、という罪悪感も感じた。

 日が経つと、お金をかけて観光に行ったのに北海道を楽しみきれなかった悔しさ、被災地への心配、ホテルの人が優しかったこと、北海道の青空や雷空が広く綺麗だったこと、暗闇に沈む町と懐中電灯の光がとてもこわかったことなど様々な断片的な思いが浮かんでは消える。店員と客という関係性はあるが、北海道のホテルやお店の人たちは大変な状況の中少しも嫌な顔をせずお世話してくれたことが印象的だった。色々なことがあったが、1年後、2年後にまた訪れて仕切り直したいと思う。その時にはきちんと、どうすれば東京に帰れるのかを様々なパターンで調べて、充電器と小型ラジオを忘れずに持って行くだろう。そんな事を考えながら、次の災害に備えた避難リュックセットをつくっている。

2018北海道旅②(20180906)

 6日午前3時過ぎ。激しい揺れと非常灯の光に照らされて目を覚ました。とりあえず飛び起きたもののどこにいれば安全なのか分からず、部屋の入り口でうずくまって時間が過ぎるのを待った。しばらくして本震はおさまったものの何度も何度も余震は続き、また非常灯を消すこともできず(ホテルの元電源から消さないと消えないのだと思う)、明るすぎる部屋で布団をかぶって目を閉じるといつの間にか眠ってしまった。深夜4時頃に一度目を覚ましたが、その頃には照明も消えていた。

 6日朝8時、よく晴れた太陽の光で目を覚ます。スマートフォンを見ると充電中になっておらず、別のコンセントにさしていたタブレットや音楽プレイヤーも充電されていない。顔を洗おうとすると水が出ない。眠たい頭でやっと「停電」の文字が浮かんだ。もうアラサーだけど、停電も断水も大きな地震も初体験で何ひとつピンと来なかった。5階の部屋からフロントまで階段で降りると、ちょうど従業員がバケツに水を入れて宿泊客に渡してるところだった。どうやら従業員スペースには水の出る水道があるらしい。私も一つバケツの水をもらい、重たいながらも5階までなんとか上がる。部屋までどうにか水を運び、顔を洗い、トイレを流し、化粧をする。やっと落ち着いて窓を開けると青々とした空にカモメが飛んでいて、爽やかで心地よい風が吹き込んだ。停電も断水も忘れて温かな気持ちになり、チェックアウトぎりぎりまでこの窓の景色をデッサンしたりして呑気に過ごした。

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 10時頃チェックアウト。コインロッカーに荷物を預けるために駅に向かってやっと、「これは大事かもしれない」と感じた。駅は停電の影響で運休・閉鎖。信号がつかないので警察が慣れない様子で交通整理をしている。それでも私は、今まで生きてきた中で災害にあったことがなかったし、停電でテレビを見ることもできず、スマホの充電不足でニュースも見なかったので、状況を把握しておらず楽観的に考えていた。ホテルに戻って荷物を預け、楽しみにしていた小樽運河沿い町を歩くと、ほぼ全ての店や資料館の扉に「臨時休業」の文字が貼られていた。開店していたのは、ガラス細工店と、海鮮丼の店、革細工のお店、六花亭の四店舗だったと思う。特に六花亭の建物は窓が少なく、暗がりの中で焼き菓子や土産物だけ売っていたのが印象的だった。中国人団体客に混ざって私もいくつか焼き菓子を買い、近くのベンチ食べた。この日初めての食事だ。喉が渇くが、停電で自販機も使えない。強い日差しの中で熱中症が心配で、公衆の水飲み場を見つける度に少しずつ喉を潤した(今思えばこの水飲み場が断水していなかったのはラッキーだった)。水を飲むとトイレに行きたくなる。しかし、お店が開いていないから入れるトイレもない。運河沿いの公衆トイレをのぞくと全ての便器が、使ったまま流されない(流れない)状態になっていた。

 12時頃、町を一通り歩き終わって駅に戻ると状況は全く変わっていなかった。駅員は拡声器で運休を伝えており、バスの係員も「今日はおそらく動かない。従業員も半分以上自宅待機を命じている」と教えてくれた。駅前には行き場のない観光客が何人も地べたに座り込んでおり、この頃やっと開店した駅前スーパーは大行列、セブンイレブンは入場制限での営業をしておりこちらも行列をつくっていた。どうにもならずにホテルに帰ると同じような状況の宿泊客が朝食スペースに集まっていて、和やかに情報交換をしたりお菓子やバナナを分けてくれた。ホテルの人がどこからか氷の入った冷たい水を持ってきてくれて、少し落ち着いた。

 13時過ぎに仙台から観光に来たおじさん3人組が車を手に入れてきて、そこに甘えさせてもらって一緒に札幌に向かった。高速に乗ると、あれほど遠く感じた札幌には30分ほどで到着してしまい、そのわずかな時間の中おじさんは朝からほとんど食べていない私にあんパンを食べさせてくれた。私も少しでも役に立ちたくて、どうにか車内を明るい空気にするよう努めた。話してみると、60過ぎのおじさん3人組には余裕も知識もあり、頼りになった。彼らのうちの1人は地震が起こった直後に、近くのコンビニに走って食料と水を確保したというのだから、そのまま眠ってしまった私と比べると危機管理において雲泥の差だ。そのおかげで、私もあんパンを食べることができた。感謝。

そこまで大きな災害だと思っていなかった私は、札幌に着けば翌日には通常通り観光したり美味しいものが食べられたりすると思っていた。しかし、都市部は小樽よりも混乱しており、行き場の無い観光客や光らない信号が印象的だった(これを観てホドロフスキーの「サンタ・サングレ」を思い出した。地獄の次もさらなる地獄が待つばかりなのだ。)。おじさん達にはアパホテル駅前店で降ろしてもらった。懐中電灯を一つくれて、お互いの無事を願ってお別れした。そういえば名前も連絡先も聞きそこねてしまったが、本当に感謝している。

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 私が予約していたのは、すすきのからバスで30分ほどの距離にある、真駒内アパホテル。普段はアパホテル駅前店とを行き来するホテルのシャトルバスか、地下鉄と市バスを乗り継いで向かうことができる。ひとまずアパホテル駅前店に入ってみると、暗がりのロビーの両端にはパイプ椅子がぎっしり並べられていて、どの席にも疲れ果てた観光客が座っていた。ホテルの従業員にシャトルバスのことを聞くと、30代のお兄さんと50代くらいのおばさんが今にも泣きそうな顔でバスの運行はできないこと、真駒内への交通手段は準備できないこと、システムがダウンしていて予約状況の確認を取ることが出来ないのでこちらに宿泊するのも難しいことを教えてくれた。朝から対応し続けていたのか、ホテルの従業員は皆かろうじて涙が流れていないだけでもうほとんど泣いていると言っていいような面持ちだった。この姿を見てやっと私は「これは大きな災害なのだ」と気づいた。小樽は停電、断水しているといっても、人口密度も低くホテルの宿泊客も「仕方ないからもう1泊」といった雰囲気で、従業員も落ち着いて宿泊客の食料の確保などに当たっていた。それに比べると札幌は異様な雰囲気で、暗がりのなかで鳴る小型ラジオが「これは災害なのだ」と主張しているように見えた。今思えば、小樽からフェリーに乗った方が安心だったかもしれない。

 とにかく、アパホテル札幌駅前店従業員のおばさんが言うには真駒内アパホテルまで道は単純なので2時間弱の道のりになるが歩くしかないとのことだった。その上で、可能であればタクシーを捕まえる。加えて最後に、「私ならヒッチハイクします。お客様(の容貌)ならきっと乗せてもらえます。ただし、絶対に女性のドライバーさんの車にしてください。こういう状況ですので、何が起こるか分かりません」と言われた。つまりは、強盗やレイプなどのことを示唆しているのだ。仕方なく、私は6日分の荷物を担いで真駒内方面へ歩き始めた。

 道中のセイコーマート(北海道ローカルのコンビニ)で烏龍茶を1本買ってから歩いていると、すぐに客が降車するところのタクシーを見つけて真駒内まで乗せてもらった。料金にして2590円。車窓からじっと道中を眺めていたが、とても大きな荷物を持って歩けるような距離ではなかったと思う。途中、大量の車が止まっており渋滞しているのかと思ったら、ガソリンスタンドへの大行列だった。

 真駒内アパホテルのフロントは、まだ明るい時間だというのに、窓が少ないせいか真っ暗だった。従業員が印刷された予約簿を懐中電灯で照らしながら、必死で確認している。宿泊料は個別に対応できないからか、一律5000円だった。あてがわれた部屋は13階。暗闇の中で階段がどこにあるかも分からず、階段を見つけても大きなリュックを背負って登る13階分の階段はあまりにも大変で、10階にたどり着いたころにはちょっと泣きそうだった。なんとか部屋にたどり着くと、そこにはやっと大きな窓があり、光が差していた。多分、16時くらいだったと思う。

 到着時のホテルは「停電しているが水は流れる」状況だったが、断水もいつ行われるか分からないとのことで、急いで水しか流れないシャワーで髪を洗い、汗を流し、なるべくトイレに行った。風呂を済ませて断水に供えて湯船に水を溜めている頃に、ちょうど断水が始まった。スマートフォンの充電も30%くらいで、この先いつ電力が復旧するのか分からないので、電源を切ることにした。することもなく、かといって定期的に訪れる余震のなかで平常心も保てず、不安を感じながら部屋に置いてあったアパホテルの社長の自伝漫画なぞを読んでしまった。六花亭で買ったお土産の一部をあけて少し食べながら、先ほどのセイコーマートで飴くらい買えば良かったと後悔しながら、疲れもあり、眠ってしまっていた。18時頃に目を覚ますと町はもう暗闇の中で、窓の外でちらほら動く懐中電灯の光がまるでゲームや海外ドラマで観たゴーストタウンのようで恐怖を煽った。犯罪が起きかねない雰囲気を感じて、何度か部屋の鍵が閉まっていることを確認した。することもないので、眠ったり、キンドルで漫画を読んだりしていると、19時過ぎに電気が復旧したというアナウンスが入った。各部屋で次々に明かりが着いて、ホテル中が拍手と安堵の声に包まれる。これで充電もできる。テレビも観られる。情報を入れることができる。こんなにも光が人を安心させるなんて、この夜まで私は知らなかった。

2018北海道旅①(20180905)

 いつも、まとまった休みが取れたら旅行に行く。訪れたことの無い町で一人、日常から離れて読書をしたり、考え事をしたりするのが好きだ。高校のころ小樽商科大に進学したいと思っていた時期があったので、なんとなく気になって今年は北海道に決めた。(昨年は東北旅行だった→東北鈍行の旅6日間*1日目 - 瓶文通信)。当初の予定は下記の通り。

 

9月05日(水)東京→新千歳空港。小樽に16時頃着。

9月06日(木)小樽→札幌。8日までアパホテル真駒内)泊。

9月07日(金)旭山動物園

9月08日(土)美術館とか?

9月09日(日)札幌のちょっといいホテルに移動。のんびり。

9月10日(月)新千歳→東京(20時着)

 

 9月5日、飛行機は定刻通り飛んだが、新千歳空港は空港と市内を結ぶJR快速エアポートが前日の台風の影響で運休しており、大変混雑していた。行列に並び、唯一の手段である空港バスのチケットを買って乗り込むまでに2時間。札幌からバスを乗り換えて小樽に向かうのにさらに一時間半ほど。小樽駅に到着した頃には、既に20時過ぎで、予定時刻を4時間も過ぎていた。できればカフェのひとつでも入りたかったけれど、東京と違って多くの店が18時や19時に閉まってしまうので、まだ開いている居酒屋で北海道名物のざんぎを食べ、ライトアップされた小樽運河沿いを歩いた。この夜は激しい雷空。高い建物の少ない小樽の紫色の空を、何度も何度も切り裂く光がとても綺麗だった。

 21時過ぎにチェックイン。風呂を済ませてから地図を眺め、明日行きたいカフェや資料館に丸をつけていると、移動の疲れからかいつの間にか眠ってしまっていた。

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映画作品ベスト10(2017)

※今年私が初見の作品のベスト。今年公開されたもののそれではありません。

 

1位 アスファルト(2015)

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★出ましたイザベル・ユペール!そしてシュールコメディ最高!でも泣ける!

 

2位 メッセージ(2017)

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★SFとしての完成度だけでなく人間ドラマに落としどころがあるのが響いた!

 宇宙人のデザインかっこいい!監督の過去作「複製された男」も好き。

 

3位 イレイザーヘッド(1977)

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★今更観ましたシリーズ。ハマって劇場で2回も観た。デヴィット・リンチ傑作。

 

4位 ドント・ブリーズ(2016)

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★こんなおじいちゃんは嫌だ部門では1位です。撮影方法により臨場感たっぷり。

 

5位 五日物語(2015)

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★グロいの大好き!

 

6位 ミルカ(2013)

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★インド人は暗い話もなんだか明るい。

 

7位 エボリューション(2016)/ボーグマン(2013)

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★気持ち悪い、後味悪い系。こういうの大好き!類:「ロブスター」

 

8位 トリュフォーの思春期(1976)

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★今更観ましたシリーズ。TOHOシネマズ「午前十時の映画祭」にて鑑賞。

 

9位 青春の輝き(1992)

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★若かりし日のマッド・デイモン。いい男のええ体を堪能。

 

10位 鍵(1959)

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★若かりし日の仲代達矢が出てる。エロい。

 

 今年観た映画の本数は12月30日現在149本。昨年は197本だったので、少し減りました。海外ドラマ「ゴシップガール」にハマり、シーズン6まで全100話以上観たので、その影響なのかもしれません。シリーズものはランク外にしておいたのですが、マッドマックスやホビットの冒険人狼ゲームなどの作品も大変楽しみました。(ホビットの冒険シリーズを1日かけて上映してくださった新文芸坐さんありがとうございました!)また、アイドル好きとしては「WHO KiLLED IDOL?」についても言及せずにはいられません。リアルタイムで注目していた事件のドキュメンタリー作品であるため、どこまでが「この作品そのもの」の面白さなのか判断がつかずランキングには入れませんでしたが、とても面白かったと思います。劇場でカンパニー松尾さんにサインをいただいたのも思い出になりました。

 私はあまり注意深く作品を観ることが出来ないですし、「おもしろいなー」、「なるほどー」、「なんかきらーい」というくらいの感覚で映画と向き合っていたいな、と思っています。どうしても凝り性なので鑑賞後に解説を聞いたり、同じ監督の作品を全部観て研究したりするのですが、なるべく自分が楽しいと思える範囲を出ないように気を付けて来年も存分に映画を楽しんでいきたいです。

ゴシップガール

夏から4ヶ月かけて、やっと最終話まで見終えた。

シーズン6まであるから100話以上はあるのかな。本当に面白かった!

私生活でも完全に影響されていて、性格悪くても大丈夫じゃんてなったし、ファッションへの浪費が増えた。

※「ゴシップガール」はドラマでフィクションなので成り立っています

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私が好きなキャラクターは主人公ダンの妹のジェニー・ハンフリーちゃん!

演じるテイラー・モムセンが音楽活動に専念するために途中で降板してしまうのだけど、最終話にはちゃんとゲスト出演してて嬉しかった◎

大胆で悪口ばっかり言ってるけどスタイル良くて子ども顔で根が真面目なキャラクターがすごい可愛い。

 

男性キャラクターだとシーズン1の頃からチャック・バスが一番好き!

性格の悪いことを自覚してる奴って信用できるから。

セリーナのような自覚のない性格悪が一番厄介。

ネイトのような自覚のないちゃらんぽらんも厄介。

こうしてみれば、後半に向けて主人公がダンとセリーナからチャックとブレアに交代したのも当然。

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ぱっと思い出してつくったけど、やっぱりネイトが一番クズ。。。顔可愛いけど。