※私が2021年に観た映画(ノット2021公開作品)
1、テルマ(2017/ヨアヒム・トリアー)
さすがは、ラースフォントリアーの親戚といった作風。
願ったことが叶ってしまう能力をもった少女の不気味で不穏な作品。キリスト教のモチーフがあらゆるところで登場しているのは、「マザー」を考察するときに似た楽しさ。
色々とややこしい話だけど、女の子の処女性・家族からの脱却、禁欲解放…的な感じで観るとスッキリする。
ノルウェーとかフィンランドとかの寒い地域の映画、不気味でぼそぼそしてて好き。
2、シャイニーシュリンプス!(2021/セドリック・ル・ギャロ、マキシム・ゴヴァール)
実力はあるけど人間的に問題がある水泳選手がゲイの水球チームのコーチになってLGBTQのみが出られる大会に挑戦するんだけど、お馬鹿でお下品で、可愛くて最高。
めちゃくちゃ抱えてる物は重いのに、強く可愛く笑って生きてる彼らをみて、私も頑張ろう!てなった。なんと実話。
3、デッドゾーン(1983/デヴィッド・クローネンバーグ)
好きです、クローネンバーグ。
事故をきっかけに、ふれた人の運命が分かる能力を手に入れた主人公の話。色々な話が盛り込みまくりで、一周めは理解が追いつかないが、ラストは「愛」についてを描く優しい映画なのかな、と思った。
4、フレンチアルプスで起きたこと(2014/リューベン・オストルンド)
家族サービスで、家族を素敵なホテルに連れて旅行に来たお父さんが、雪崩が来たときに一目散に一人で逃げる。雪崩は大事に至らなかったが、家族を守らなかったことから、微妙に嫌な空気が続く。
シュールな笑い。とても好み。何が起きるというわけではないのだけど、居心地の悪い雰囲気と、その緊張感のなかで発生する笑いが最高。
5、グリーンブック(2018/ピーター・ファレリー)
天才ピアニストが、黒人差別真っ只中の地域でツアーをする。相棒の荒っぽい白人男性トニーとのドタバタ珍道中。
招かれてピアノ弾いてるはずなのに、トイレも使わせてもらえないし、同じ場所で食事もNG。ピアニストは黒人差別に加えてホモであることを隠してるので、余計に孤独でしんどい。けれど、そんな湿っぽさを漂わせながら作品は軽快。実話。
アラゴルン、いつの間にこんな汚いおっさんに…。
6、ウトヤ島、7月22日
子どもたちが集まった島(夏休み合同遠足的な)で警官になりすました一人の男が銃乱射事件を起こし、77人が死亡する。目的も分からないまま、子どもたちは小さな島を逃げ惑う。その様子をまるまる二時間弱で。しんどい臨場感たっぷり。
7、窮鼠はチーズの夢を見る(2020/行定勲)
成田くん(ゲイ)、大倉くん(ノン気)のからみ、ごちそうさまです。このレベルの役者使ってこんなに裸とイチャイチャ見せてもろてええんですか。ほろ苦大人な恋愛。
8、聖なる犯罪者(2019/ヤン・コマサ)
服役経験のある男が、それを隠して勝手に聖職者になりすます。とても好みの質感。
ラストをどう受け止めたらいいのか、難しい。
9、メランコリック(田中征爾)
夜中の銭湯では殺しの後始末が行われている。殺し屋に巻き込まれていく新人銭湯バイトくんを描いたほのぼの映画。知ってる役者が出てこないのに、非常に集中して見られて、笑えて、面白かった。
10、プラットフォーム(2019/ガルダー・ガステル=ウルティア)
社会実験に参加する主人公。上から下へエレベーターのように食事が大量に降りてきて、上から順に食事を済ませていく。当然、下の階層になると残飯しか残っていない。ただし、食事の量はきちんと人数分乗っており、それぞれが一人分だけ食べれば全員食にありつけるはずなのだ。(ちなみに、階層は1ヶ月ごとにランダムに入れ替わる)
アイデア勝負一発。飽きさせない展開。設定やシステムに突っ込みたくなるところは、気になる。
2021年観た本数、60本。
ここにきて、かなり減りました。仕事が忙しかったのと、映画好きの人と会わなくなったのが理由かなぁ。やっぱり、感想を共有したい!
とはいえ、この間映画館行って、「いやあ、映画っていいもんですねぇ」となったので、まだまだ自分のペースで観ていきたいと思います。
197本(2016)→149本(2017)→163本(2018)→137本(2019)→111本(2020)→60本(2021)