※今年私が観たベストです。(ノット 今年公開作品)
1位 パラサイト(2019)
言わずとしれた大ヒット。第72回カンヌ映画祭でパルムドール受賞。
大好きなポン・ジュノ。大好きなソン・ガンホ。
無自覚な豊かさと抜け出さない貧しさについて、現代社会にカウンターパンチ。
すごく共感したし、辛い内容なのに、コメディ部分に笑った。エンタメ作品としてのバランス感覚がすごいんだんと思う。この作品に合わせて各映画館でポンジュノ特集があったのも嬉しかった。初めて見た「母なる証明」もめちゃくちゃ面白かった!好きな作品である「スノーピアサー」も映画館で見たかったなぁ。こちらは予定合わず。
2位 レ・ミゼラブル(2019)
※あの「レ・ミゼラブル」とは別作品です。
「サウルの息子」や「マッドマックス」ばりのノンストップ映画。少年の中の弱さや優しさがオセロのように反転していく様がすごい。あと、出てくる人の顔の見分けがつきやすくて良い。
3位 彼らが本気で編むときは(2017)
静かに怒ることの美しさ。生田斗真キレイだったなぁ~。偽善的なところが無いのがいい。
4位 愛しのアイリーン(2018)
ジャケットに騙されることなかれ。とても切なく苦しい作品。そして雪の中のシーンは美しい。社会性もある。あと、わたしゃ河井青葉が好きなんや。
吉田監督、高確率で面白い。「さんかく」、「ヒメアノ~ル」が特に好きかな。
5位 ミッドソマー(2019)
これだけ後味悪い作品もなかなか無いぜ。しかし、前作よりは大分マイルドで大衆向けになった気もする。画面の端々に視聴者へのメッセージがあり、長江俊和の「放送禁止」シリーズよろしく、考察厨にはこんなに楽しい作品はなかった。
考察面白系で言えば、同じくA24作品の「It comes at night」もとても良かった。
6位 ジョーカー(2019)
無敵の人。バットマンシリーズではあるけど、監督はこういう作品が作りたくて予算取りのためにバットマンを使ったようで、本筋としてはあんまり関係ない。「ハングオーバー」の監督の作品ってところが面白いところ。喜劇と悲劇は表裏一体。
ホアキン・フェニックスの全身を使った演技がすごい。ブリーフ一丁の姿も圧巻。
私も笑っちゃいけない(らしい)ところで笑ってしまうタイプなので、ジョーカーにはすごく共感。
観終わったあと「あ、そうか。みんな殺しちゃえばいいんだ。」て思っちゃったので危険な作品。
7位 怪物はささやく(2017)
アニメーション部分など映像が美しい。ファンタジーでありながら、現実と向き合う強さをくれる。主人公の男の子の人相が素晴らしく好み。日本でいう清水尋也的な。
8位 スキャナーズ(1981)
悪趣味で、とても趣味が良い。気持ち悪い表現のギリギリOKのラインを狙ってくる。怒涛の伏線回収が快感。
この監督「ザ・フライ」も好きなのよね~。
9位 許された子どもたち (2020)
大好き、内藤監督。エグみと笑い、ポップな色彩バランスがすばらしい。
実在の事件から着想。映画館で2回見た。
10位 ブルーマインド(2017)
思春期少女の不安妄想かと思いきや、まさかのオカルト。ミステリアスな雰囲気が好み。
★その他面白かった映画
・狼よさらば(1974)
ある意味ジョーカー
・家族を想うとき(2019)
原題「Sorry we missed you」。全然違う邦題つけちゃった選手権。
「パラサイト」と同時期公開で立て続けに観たらとってもキツかった。
面白いしグッときたが、「わたしはダニエル・ブレイク」の方が好き。
・プロフェシー(2002)
モスラ。オカルトミステリー。もやもやエンドが好み。
・スタンリーのお弁当箱(2011)
インドも貧困。コメディなので楽しく見られるが、置かれている環境はひどい。
・サーミの血(2016)
サーミへの偏見と差別。静かで美しい作品でもある。
・美女と野獣(1991)
言わずと知れたディズニー映画。野獣の不器用さ、自己肯定感の低さに共感し、号泣。
・ベガスの恋に勝つルール(2008)
頭空っぽで観られるラブコメ。可愛い二人の挑発しあいが楽しい。
・スピリッツ・オブ・ジ・エア(1988)
映画館で観たその日はなぜこんなにカルト的人気のある作品なのか、面白みがイマイチ分からなかったけど、数日後、数か月後何度となくあの青い空を思い出す。心に残った作品。
・幸福なラザロ(2018)
宗教的知見が無いと理解が難しいが、大胆な展開ありの美しい作品。全て理解できている気はしない。
・沈黙のジェラシー(2008) ※原題HUSH
壮絶な義母からのイジメ。ミザリーばりの怖さ。ドキドキハラハラが楽しい。
・スキン(2019)
レイシストが全身の入れ墨を消し、生き方を変えるまで。長編だけでは物足りないので、短編と併せて観ること。環境で人の思考は育つ。自分で考えて選びとってきたことなんて、本当は何も無いのかも。
・リチャード・ジュエル(2019)
クリントイーストウッドは安定して面白い。リチャードのどうしようもないダメなとこも込みで描いて、英雄や被害者にしないとこがミソ。みんなめんどくさい心がある人間。
・生きてるだけで、愛(2018)
趣里ちゃんの身体表現の美しさ。へんてこな女性の立体感。無茶苦茶迷惑な女性のドラマだけど、ちょっと憧れちゃうような美しさもあった。
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今年は111本観ました。197本(2016)→149本(2017)→163本(2018)→137本(2019)なので、見る本数は大分減ってきた。今年は仕事が忙しくて、月90時間ほど残業したのもあって、映画館行く気もしなかった。忙殺されると、時間ができても好きなことする気力がわかなくなるんだということを学んだ。
今年は部署異動があったんだけど、コロナウイルスが流行った影響で、基本を知らないのにイレギュラーな仕事も増えて、精神崩壊しそうだった。「あたしは不幸じゃない」、「あたしは不幸じゃない」って毎日呟いてた。
実際、夏~秋は魂ぬけちゃって今思えば鬱の一歩手前だった。魂が戻ってきてからの冬からは、自分にとっての「仕事」や「幸せ」について考え続けている。
来年は好きなことして好きって思える毎日を取り戻したい。それが目標のひとつ。